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 「日本アイ・ビー・エム」(東京都中央区、日本IBM)グループが、国から受けた課税処分の取り消しを求めた訴訟で、約1200億円の法人税課税を取り消した一、二審判決が確定した。最高裁第一小法廷(山浦善樹裁判長)が18日付の決定で、国の上告を受理しない決定をした。

 裁判では、グループ企業内の損益を合算して申告する「連結納税制度」の是非が争点になった。

 昨年3月の二審・東京高裁判決によると、日本IBMの持ち株会社が2002年、米IBM側から日本IBMの全株を購入し、この株を日本IBMに複数回に分けて売却した。この売買で出た約4千億円の損失を、連結納税制度に基づいて日本IBMの黒字と相殺。その結果、グループ全体での法人税の納税額がゼロになった。

 東京国税局は「課税回避が目的だった」と申告漏れを指摘し、追徴課税したが、二審判決は「通常の取引と違うとはいえない」と判断。課税を取り消した一審・東京地裁判決を支持していた。

 国税庁によると、裁判で取り消された課税処分としては、旧日本興業銀行への法人税などの約1500億円、旧武富士創業者の長男の贈与税などの約1330億円に次ぐ3番目の規模だという。

 グループ内の株売買による赤字計上は、10年度の税制改正で仕組みが変わり、現在は課税される。