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 牛肉がじわじわ値上がりしている。子牛の数が減る「少子化」が原因らしい。何が起きているのか。

 東京・豊洲の食品スーパー「たつみチェーン」は今冬、牛肉全般を約1割、100グラムあたり平均50円値上げし、今もそのままだ。店を訪れた女性会社員(36)は「牛肉を買うのをやめて、安い豚や鶏を買う回数が増えた」と話す。

 農畜産業振興機構によると、今年2月の国産和牛100グラムあたりの小売価格は、肩肉が797円。前年同期より2割近く高く、この20年間で最高値をつけた。豪州産も前年同期より1~2割高くなっている。

 肉牛農家は子牛を増やす「繁殖農家」と、繁殖農家から競りで買った子牛を育てる「肥育農家」に分かれる。子牛と大人の牛では、えさや飼い方が違うためだ。このうち、繁殖農家の減り方が深刻で、昨年は約4万7200戸と、10年前よりも約38%も減った。

 肥育農家が100頭以上を飼う大きな農家が多いのに対し、繁殖農家は主に10頭前後を飼う小さな農家が米などをつくりながら手がけている。北海道や東北、九州に繁殖農家は多いが、後継者不足と高齢化が著しく全国的に離農が進んでいる。ほとんど休みがないことや、出産時期には夜通し見回りをすることもあり、体力がなくなると続けられなくなるためだ。