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 どうでもいい、と思ってみても、なぜか気になる他人の「不倫」。年明けから相次いだタレントや国会議員の不倫騒動は、「休業」と「辞職」にまで発展した。世間は、なぜこんなに注目するのか。

 「発売初日の昼に売り切れた。直送してほしい」。1月、タレントのベッキーさんとバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音(えのん)さんの不倫を週刊文春が報じて以降、発行元の文芸春秋には書店から問い合わせが相次ぐ。1月14日号から4週連続で2人のスキャンダルを掲載し、2月18日号では宮崎謙介・元衆院議員の「お泊まりデート」。同社によると、この間の売り上げは前年同期比2割増で、6号中3号が2年半ぶりの「完売」だった。

 他人の不倫が、なぜこうも気になるのか。東京大大学院の瀬地山角(せちやまかく)教授(ジェンダー論)によると、浮気が即離婚につながる米国に比べ、日本は浮気がばれても離婚しない夫婦が多く、「浮気しても結婚が続くので不倫が目立つ」という。一方、日本人には「性関係は夫婦内に限定すべきだ」という規範意識が強い。「不倫が起きやすいのに、不倫に厳しい。だから不倫に注目が集まりやすい」という理屈だ。

 今回は「プラスアルファ」の要因もあった。ベッキーさんは「清純」なイメージが強かった上、川谷さんには前から支えてきたとされる妻がおり、「糟糠(そうこう)の妻を捨て新しい女性に乗り換えたと捉えられ、世間の反応が強まった」。宮崎氏については「育休をぶち上げたことに尽きる。それがなければ、辞職も、注目されることもなかっただろう」と瀬地山教授。

 報道後の対応が「傷口」を広げた面もある。ベッキーさんは1月6日に謝罪会見を行ったが、報道陣からの質問は受け付けなかった。しかし、会見後も続報が続き、川谷さんとのLINE(ライン)のやりとりまで流出。全ての番組を降板し、1月30日から「休業」に入った。宮崎氏も当初は、報道陣の取材に答えず、走って逃げる様子がテレビで繰り返し流れた。

 さらに危機管理コンサルタントの白井邦芳さんは「有名人のスキャンダルは昔からあるが、SNSが発達した現代では情報が広く拡散するようになり、当事者は説明せずには逃げ切れなくなった」と分析する。

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