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 英国のキャメロン首相は20日、ブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で英国がEU残留条件として求めた改革案で合意したことを受けて、EU離脱か残留かを問う国民投票を今年6月23日に実施すると発表した。政府としては「残留」の立場を支持することも表明した。

 キャメロン首相は20日午前、緊急閣議を開いてEU各国との合意内容を閣僚に説明。その後、首相官邸前で国民向けに演説し、EU離脱は「英国の経済と安全保障を脅かす」と指摘。「選ぶのはみなさんだが、英国は改革されたEUにとどまることで、より安全で、より強く、より良くなると私は信じる」と述べて、政府としてEU残留を国民に勧めると表明した。

 改革交渉では、EU側が分裂回避を優先させて大幅に譲歩した。主な合意項目では、加盟国は移民労働者の流入が例外的に増えた場合、緊急措置として、低所得者向けの税控除などの社会保障を入国後最大4年間は制限できる。また、EUに対してさらに主権を委譲するなど政治的な統合の深化に、英国はこれ以上加わらない。一部の合意項目は次のEU基本条約の改正に盛り込まれる。

 キャメロン氏は「EUの譲歩を引き出した」と訴えて国民投票で「残留」の結果を引き出したい考えだが、もともと大陸側の欧州と距離がある英国では、EU離脱派と残留派で世論が二つに割れている。(ブリュッセル=吉田美智子、渡辺志帆