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 インドの首都ニューデリー近郊で、特定のカーストの集団が、被差別カーストに与えられる公務員採用や大学入試などでの優先枠の割り当てを求めるデモを始めて暴徒化。20日までに少なくとも4人の死者が出たほか、道路の封鎖などで日系企業の操業にも影響が出ている。

 ニューデリー近郊のハリヤナ州ロータクなどでデモを始めたのは「ジャート」と呼ばれる、伝統的に自作農とされるカースト。被差別カーストに対して与えられる優先枠の割り当てを求め、道路や線路を封鎖。州政府は19日、一帯に外出禁止令を出し、軍を派遣した。

 スズキの現地子会社マルチ・スズキは20日、部品の納入などに支障が出たため、同日午後からニューデリー近郊の2工場の操業を一時中止すると発表した。日本大使館も在留邦人に注意を呼びかけている。

 カーストはインドに残る身分差別。出自や先祖の職業などにより数千の集団に分かれる。カースト差別は憲法上、禁止されているが今も存在しており、政府は対策の一つとして被差別カーストへの優先枠を設けている。だが、別のカーストが枠の割り当てを求めたり「逆差別」と批判したりすることが、しばしばある。(ニューデリー=貫洞欣寛