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 復興への歩みを音楽で後押しする「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト」(三菱商事、岩手朝日テレビ、朝日新聞社主催)が3月30日、盛岡市の県民会館で開かれる。バイオリニストの葉加瀬太郎さんやピアニストの西村由紀江さんらを迎え、県内の高校生が合唱を披露する。その合同練習が2月21日、市内の盛岡劇場であり、アーティストと生徒たちが本番に向けて息を合わせた。

 出演する高校生は盛岡四、宮古、釜石、大船渡の各校。合同練習で葉加瀬さん作曲の「WITH ONE WISH」を初めて一緒に歌った。最初はぎこちなく小さい声だったが、すぐに元気な声がホールに響いた。指揮を担当する盛岡四高音楽部顧問・佐藤文子さん(52)は「知らない人とも音楽を通せばすぐに一つになれるけど、最近の子は特に打ち解けるのが早い」と驚いた。

 佐藤さんは2010年4月まで宮古高で教えていた。いまも安否の分からない生徒がいる。「被災地に生きる子と一緒に歌うことで、震災を忘れないというメッセージを伝えたい」

 盛岡四高2年の阿部有彩さん(17)と安藤里彩さん(16)、宮古高2年の加藤由布香さん(17)は宮古一中の合唱部で一緒だった仲だ。阿部さんと安藤さんは親の転勤で宮古を離れ、合同練習で久しぶりに再会し、3人並んで歌った。

 加藤さんは「懐かしい声が両側から聞こえてきて、中学時代を思い出しました」と笑顔をみせた。「昨日の涙ぬぐい 明日をこの手でつくる」という歌詞に、震災の頃の気持ちを思い出すという。「被災地が復興してほしいという強い気持ちを込めたい」

 葉加瀬さんと西村さん、チェリストの柏木広樹さんらが合流すると練習の盛り上がりは最高潮に達した。葉加瀬さんは「ステージに立ったら年齢は関係ない。一緒にいい音楽を作りたい」。使わなくなったピアノを修復して被災地に届ける活動もしている西村さんは「本番ではみんなで一つのものを作る充実感を味わってもらいたい」と話した。

 この音楽祭は今年で3回目。一昨年は仙台市、昨年は福島県郡山市で開かれた。(大賀有紀子)