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 日本人28人を含む185人が死亡したニュージーランド(NZ)南部地震の発生から5年。被災地のクライストチャーチ市では徐々に復興が進む。一方、遺族らの悲しみは今も消えない。「忘れられることは2度目の苦しみ」。被害を風化させまいという取り組みも生まれている。

 追悼式典には遺族や関係者以外にも多くの市民が訪れ、会場を埋めた。リアン・ダルゼル市長は「市が主催する式典は今年で最後。来年から市民の手で行われるようになる。私は再生には『修復』と『新しい成長』の二つの意味があると考えている。市民は今も住宅再建できないなどの悩みを抱えている」とあいさつした。式典中、参加者はハンカチで涙をぬぐったり肩を寄せ合ったりしていた。

 クライストチャーチ市では余震の心配は残るが、復興は徐々に進んできた。ガラス張りの外観が印象的なクライストチャーチ・アートギャラリーは昨年12月19日、大規模な文化施設としては5年前の地震以来、初めて再オープンした。地震直後に緊急災害本部となった場所だ。日本の先端技術を駆使して弱い地盤を補強した。ジェニー・ハーパー館長は再開初日、多数の来訪者が涙を流して「ありがとう」と抱きついてきたのに驚いた。「住む場所がない市民もいるのに芸術どころではない」との批判も覚悟していたからだ。「空っぽになった街に文化や芸術は必要だと再認識した」

 5年前に大きな被害が出た市中…

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