[PR]

 廃棄食品の横流し問題を受け、食品にかかわる企業が再発防止に動く。廃棄を委託する際に生ごみに混ぜたり、委託先の処理に立ち会ったり。廃棄量を減らすため、消費者に協力を求める取り組みも始まった。

 5枚一組みで透明な包装に「ビーフカツ」の文字。カレーチェーン壱番屋(愛知県一宮市)は、異物混入の恐れのある冷凍カツを、包装したまま廃棄にまわした。約4万枚が産廃処理業者ダイコー(同県稲沢市)によって横流しされ、一部はスーパー店頭に並んだ。

 壱番屋は問題発覚から1カ月余りたった22日、ダイコーに残っていた冷凍カツやパン粉を回収した。今後の廃棄委託の際には①包装から出し、生ごみと混ぜる②できない場合は最終処理まで社員が立ち会い目で確認する、といった再発防止策を取る。

 横流しは約60品目で確認され、冷凍食品のニチレイやみそのマルコメも壱番屋と似た対策を公表した。

 「食品メーカーは従来、処理費を抑えることに熱心でどう処理されるかに無関心過ぎた」。西日本の産廃処理業者はそう話す。この処理場には最近、取引先の担当者がひんぱんに訪れるようになった。

 環境省も再発防止策の検討に入った。処理の監視を強化したり、転売できない形で廃棄にまわすよう排出業者に要請したりする。

 ただ、大手コンビニ幹部は「廃棄にまわす商品すべてで形を変えたり処理を最後まで見届けたりするのは難しい」。製造を委ねる企業は、各地に散らばる。

 環境省は、より根本的な対策として廃棄量を減らすことも要請する構え。国内の事業者から出る食品廃棄物は、農水省によると13年度時点で1927万トン。08年より17%少ないが、さらに減らすことをめざす。

 賞味期限や消費期限が近い値引き商品に「フードレスキュー」のシールをはり「捨てられる前に買って」と勧める。そんな取り組みの第1弾が今月、大手スーパー、イオンの葛西店(東京都江戸川区)であった。

 シールをつくり、東京都などと催しを呼びかけた博報堂の担当者は「お得なだけでなく社会貢献につながると訴えたい」と話す。

■食品廃棄、フランスでは罰則成立

 食品廃棄を減らそうと、海外ではより踏み込んだ動きも出てきた。

 大型スーパーに、まだ食べられる食品の廃棄を禁じ、所得の低い人らに食品を配る慈善団体への寄付を義務づける。そんな法律が今月上旬、フランスでできた。違反には罰金を科す。

 AFP通信などの報道によると、大量の食品が毎日捨てられる一方、低所得者らに食品を配る必要性が高まっているとして、パリ郊外のクールブボアの市議がSNSで賛同を呼びかけたのがきっかけという。

 成立の背景には、業界と慈善団体の信頼関係もありそうだ。スーパー大手カルフールは昨年末までに、プライベートブランド400点について賞味期限などを延長。「寄付先の慈善団体との連携を強化していく」という。(大隈悠、斎藤健一郎