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 シェークスピア研究者で東大教授の河合祥一郎さん(55)は、大のスター・ウォーズ・ファンでもある。その河合さん、「スター・ウォーズとシェークスピア作品には驚くほど共通点がある」という。どこがどう似ているのか、聞いた。

 ――スター・ウォーズ最新作のエピソード7「フォースの覚醒」の最後の場面と、シェークスピアの「冬物語」の大団円がそっくりと言っています。

 「映画は冒頭から(エピソード4~6の主人公)ルーク・スカイウォーカーが姿を隠した、どこに行ったのかわからない、ということが言われます。ルークは自分の力が足りずジェダイを滅ぼしてしまったという強い自責の気持ちがあったために姿を隠した――。そんな設定になっています」

 「『冬物語』の主人公のシチリア王・リオンティーズも、大きな失敗をして家族を失い、姿を隠してしまいます。彼は過去の過ちを悔い、誰にも会わず、ひげも伸びて年をとる。そこへ見知らぬ羊飼いの娘が訪ねてきます。話を聞いてみると、実はリオンティーズの娘であるということがわかり、感動の再会を果たす。これが大団円です」

 「『フォースの覚醒』の最後は孤島にひげボウボウの男性がいて、そこに主人公のレイが会いに行く。私は映画館で、これは『冬物語』とそっくりだ、レイはルークの子どもなんだろうなと思って見ていました」

 ――なるほど。でも、たまたま場面が似ていたということでは。

 「そう思うでしょうね。私も、イアン・ドースチャーという人が書いた『もし、シェイクスピアがスター・ウォーズを書いたら』という3部作の戯曲を訳すまでは両者が似ているとは思っていませんでした。スター・ウォーズはスター・ウォーズで楽しんでいたし、シェークスピアはシェークスピアで研究対象として、あるいは芝居として楽しんでいました。でも、訳しながら、言われてみればたしかに似ているなあと」

 「あらためて私なりに比べると、両者は精神的な、あるいは哲学的な構図が非常に似ていることに気づいたのです」

 ――どういうことですか。

 「シェークスピアのお芝居は、…

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