[PR]

 中国やロシアなど新興国の自動車市場が減速するなか、販売が好調なインドでメーカー間の競争が激しくなっている。小型車中心に5割近いシェアを握るスズキが高級路線を打ち出す一方、中型車以上が主力のトヨタ自動車はダイハツ工業の小型車投入を検討する。

 ニューデリー東部の高級住宅街。白を基調にした店内に入ると、スーツ姿の係員が出迎えた。スズキのインド子会社マルチ・スズキが昨年7月に立ち上げた新しい販売網「NEXA(ネクサ)」のディーラーだ。

 大学生のバラト・ガンディさん(21)は父とともにスズキの小型車スイフトに乗る。新車が欲しいが、「現代(自動車、韓国)はつくりが安っぽい。ホンダやトヨタは大きすぎる。NEXAはおしゃれだ」。選んだのはスズキがインドで生産し、NEXA網で売る5人乗りハッチバックのバレーノ。排気量1・2リットルのガソリン車最安モデルで価格は約52万ルピー(約88万円)と、スイフト並みで手頃だ。

 インド自動車工業会(SIAM)によると、人口12億人のインドの2015年の乗用車販売台数は277万台。インド政府は2月下旬に発表した年次経済白書で、16年度の国内総生産(GDP)成長率を7~7・75%と予想。「中国が減速するなか、インドの世界経済への貢献は重みを増している」とした。SIAMは、26年には中国、米国に次ぐ世界3位の市場になると見込む。

 1982年に他社に先駆けてインドに進出したスズキは47%のシェアを持つ。アルトやワゴンRなど小型車中心だが、近年は「買い替え時に他社に移る例が目に付く」(鮎川堅一マルチ・スズキ社長)という。

 顧客を逃すまいと、アウトドア調のデザインのSX4などを扱う高級志向のNEXAを立ち上げた。今年1月に100店目をオープン。来年度中に250店を目指す。「高級感のある内装としっかりした走りをアピールしたい」(鮎川氏)

 これに対し、中型車以上が主力のトヨタは伸び悩み、シェアは5%にとどまる。小型戦略車「エティオス」を10年に発表したが「当初は目標に届かなかった部分もある」(棚田京一アジア・中近東本部長)。そこで、完全子会社化するダイハツの小型車の展開を考えている。棚田氏は「具体的な話はこれからだが、ぜひやりたい」と語る。

 一方、現代、マヒンドラ・アン…

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

お得なシンプルコース980円が登場しました。詳しい内容はこちら