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 政策目的のために税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」で2014年度、87の減税項目の2割にあたる18項目で利用実績がゼロだったことがわかった。利用件数が1桁の16項目と合わせ、全体の4割弱の減税がほとんど利用実績を伴っておらず、効果の見通しや検証が不十分な実態が浮き彫りになった。

 政策減税の利用実績を示す財務省の報告書を分析した。利用ゼロの減税が目立ったのは沖縄県の振興を目的とした減税で、12項目のうち7項目が利用ゼロだった。沖縄県内の観光産業にかかわる企業への優遇措置は3年続けてゼロだった。民主党政権が導入した「国際戦略総合特区」に進出した企業への減税措置の一つも、当初約70件の利用を見こんでいたが実績はゼロ。昨年末の与党税制改正大綱で廃止が決まった。

 朝日新聞の集計によると企業向け政策減税の14年度の総額は、国税の減収が明らかな項目だけで計約1・2兆円あり、全体の6割超の減税を資本金100億円超の大企業が受けていた。加えて財務省の試算では、課税を翌年以降に遅らせる「特別償却」などの措置で、14年度はさらに約8600億円の税収減だった。

 有識者がつくる政府税制調査会(首相の諮問機関)の分科会は14年、利用が極端に少ない減税措置について「廃止を含めた抜本的な見直し」を提言している。政策減税に詳しい熊本学園大学大学院の末永英男教授は「『課税の公平』の原則をゆがめる政策減税は、特定の政策にどうしても必要な場合に限って実施するべきだ。利用が少ないなら補助金として企業に交付する方がチェックも行き渡る」と指摘している。(牧内昇平)

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