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 愛知万博のあった海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)に隣接する林が無許可で伐採され、太陽光発電施設が設置された問題で、愛知県は設置業者が許可基準を満たすよう災害防止対策などを取れば事後的に許可する方針だ。中止勧告を無視された瀬戸市は撤去を求められないか、なお検討している。

 大村秀章知事は23日の記者会見で、設置したフジ建設(名古屋市)を「無届けで2ヘクタールを開発してソーラーパネルを設置し、売電している。明確な法令違反だ」と批判した。ただ、発電施設自体をどうするかは「災害発生、環境の著しい悪化がないよう、排水施設の設置などの是正指導をしていく」と語るにとどめた。

 県は土砂流出を防ぐ応急措置を同社に要請中。県の砂防関係条例の担当者は「ソーラーパネル自体でなく、設置のための造成が土砂流出につながるかどうかが問題」とする。森林法や環境保全、土壌汚染に関する条例の担当各課も造成が各法令の基準を満たせば認める方針で、撤去要請は困難としている。

 一方、瀬戸市の青山一郎副市長は「市民感情から言えば撤去してほしい」と話す。2013年にフジ建設の計画書を受け取った市は、「環境万博」の理念を継ぐ海上の森の環境に造成の土砂が影響を及ぼすおそれがあるとして、土地利用調整条例により中止を勧告していた。

 条例では市は計画について住民説明会を開ける。それを不要と判断し、中止勧告をしたほど問題は自明だった。条例に撤去に関する条文はないが、副市長は「造り得にしてはいけない」と話す。

 今月、現場を確認して告発した「海上の森野鳥の会」副代表の森島達男さん(65)は「けしからんと言っておいて、発電でもうける業者を認めるのか」と怒る。フジ建設は県にも計画段階で相談。その後、県の海上の森センターは開発を把握したが、県庁内で情報共有されなかった。森島さんらは開発を見過ごした県の責任も問い、伐採前の状態に戻すべきだとする抗議の申し入れをするつもりだ。

 同社の広報担当は「現地調査で指示された土留め工事や測量をして今週末までに県、市に報告する。売電は続けている」と話す。