昨年1年間で、約1億2千万人の中国人が海外旅行に出かけ、1・5兆元(約25・8兆円)を消費――。中国の高虎城商務相が23日、こんな数字を明らかにした。世界中で「爆買い」パワーを見せつけている中国だが、中国国内の消費が海外に逃げているとの指摘もある。

 高氏は会見で「1・5兆元の消費のうち、少なくとも7千億~8千億元(約12・0兆~約13・8兆円)は(商品の)買い物に使われた」とした。富裕層が高級ブランド品を買いあさっていた以前の旅行と異なり、中所得層が質の高い日用品などを海外で買い求めていることが特徴という。

 減速する中国の経済を支えているのが「9千万人とも1億人とも言われる」(高氏)中所得層以上の消費だ。しかし、中国の国産品がこうした中間層を満足させられず、国外での「爆買い」に走らせていることが政府にとっては頭痛の種だ。

 高氏は商品の種類がまだ足りないことや、物流コストが先進国の倍近くかかることを課題に上げ、政権の目指す「供給側(サプライサイド)改革」に力を入れるとした。(北京=斎藤徳彦)