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■キャンプの素顔

 外野にぽつんと立てられた竹の棒。それを狙って、選手が次々とロングティーを繰り返す。中日キャンプの打撃練習での一コマだ。

 特別コーチの土井正博氏がゴルフ選手の練習方法をヒントにして、西武で指導していた頃に始めたという。「当てようと思って手だけで打つと当たらないもの。振るときに、しっかりと下半身を使わないといけないんだ」と言う。

 当然、そう簡単には当たらない。打球は次々と棒の上や横を通っていく。「あ~、惜しい!」。ファンの声を何度も聞いた後に、「ガシャ!」と音を立てて棒が倒れた。選手は得意げにガッツポーズし、観客からは大きな拍手がわき起こった。

 「本気で狙ってもなかなか当たらないけれど、同じ練習をする中でも遊び心もないとね。見ている人も楽しめるでしょう」と土井コーチ。選手からも、「標的があると集中力が高まる」と好評だ。

 キャンプ最終クールが始まった23日は雨の影響で練習は主に屋内であり、ここでも「的当て」があった。選手はノックを受けると、ネット際に置かれた工事現場などで見かける円錐(えんすい)状のパイロンをめがけて投げる。当たれば、選手もファンも大喜びだ。

 真剣な練習の中に込められた、ちょっとした遊び心。命中させるプロの技術と同時に、素直に喜んでいる選手の笑顔は、見ている側も楽しくさせる。(上山浩也)

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