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 第66回ベルリン国際映画祭が21日に閉幕した。最高賞の金熊賞に輝いたのは、ドキュメンタリーだった。イタリアのジャンフランコ・ロージ監督が、欧州を目指す難民たちが押し寄せる地中海のランペドゥーサ島の今を撮った「火の海」だ。

 ドキュメンタリー「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」で、2013年のベネチアで金獅子賞を受けたロージ。ローマの市井の人々に向けられた静かで温かな視線が、今作では島の住民たちと危険を冒して海を渡る難民たちに等しく注がれている。

 「ニュース映像とは違う視点で撮りたかった。当初はドキュメンタリーか劇映画にするかも決めていなかった。真実を伝えることが、一番重要だった」とロージ。地元の12歳の少年、25年にわたり難民たちの診察にあたる島の医師を中心に、難民船の事故の報を伝える地元のラジオ番組など島の日常から垣間みえる難民問題を淡々と撮った。同時にカメラは、命がけで海を渡る難民たちの悲痛な叫びもとらえた。メリル・ストリープ審査員長は「心を揺さぶられた。今作られるべき作品」と評価した。