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 絶滅が心配されている国の特別天然記念物ライチョウの人工飼育で、腸内細菌群を野生のものに近づける研究に環境省が乗り出す。腸内細菌は、エサの毒を分解するなど自然界で生きていくのに重要な役割を果たしているとみられている。人工飼育のものは細菌の構成が異なり、野生復帰に向けた課題になっていた。

 ライチョウの人工飼育は昨年、東京・上野動物園と富山市ファミリーパークで開始。現在は富山市で3羽が生き残っている。ただ、病気を防ぐために抗生剤を与えることなどから、腸内細菌の構成は野生とは大きく異なる。エサとなる有毒植物の毒を分解する細菌が極めて少ないことが判明、このままでは野生復帰は難しいとみられていた。

 このため、新年度から京都府立大、東邦大、日本大などによる研究班を設置し、腸内細菌の再現を目指すことにした。野生のヒナが親のフンを食べる行動を分析、腸内細菌の構成を受け継ぐのに重要な時期を割り出す。必須な細菌の特定を進め、近縁種に与えて定着の度合いや解毒効果などを調べるという。

 リーダーの牛田一成・京都府立大教授は「腸内細菌の重要性が示せれば、動物園などでの保全事業全体の技術確立に貢献できる」と話す。(小坪遊)