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■キャンプの素顔

 学ランの集団が24日、日本ハムのキャンプ地、名護に現れた。ブルペンの脇やスタンドに陣取ると、食い入るようなまなざしで見つめている。

 何だろう、と思っていたら、集団の後ろには、一人の球団幹部の姿があった。1999年秋のドラフト7位で入団し、現在は球団のGM補佐として活躍する遠藤良平さんだ。もしかして……。「そうだよ。今、キャンプなんだ」。東大野球部。遠藤さんの後輩たちが、オフを利用して見学に来ていた。

 2月9日から3月2日までの予定で、バッテリーのみ沖縄でキャンプ中。練習場所は首里高、那覇国際高、浦添高と高校のグラウンドを転々としている。何とも文武両道の東大野球部らしい。練習の合間には部員が高校生に、自らの受験体験や勉強方法も伝授しているそうだ。

 東大野球部の沖縄キャンプは、戦後70年だった昨年から始まった。これには意味がある。米軍が沖縄に上陸する2カ月前に赴任した知事は、島田叡(あきら)。住民保護に尽力した末、本島南部で消息を絶った。今も「島守」として慕われる島田は、東大(当時、東京帝大)野球部のOBだ。

 「このキャンプの目的は、こちらに来る前に伝えています。野球はもちろん、沖縄の方々の戦争に対する思いも、いくらかでも受け止められたらと思う」と中西正樹助監督は話す。キャンプ中は、糸満市摩文仁にある「島守の塔」など、戦争遺跡も訪ねる。

 部員たちの目には、何が映り、何を考えるのだろう。(山下弘展)

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