[PR]

■キャンプの素顔

 プロとしての自分の哲学をもう一度貫きたい。そんな思いを抱き、西武に移籍してきたベテランがいる。同僚らから「キム兄(にい)」の愛称で呼ばれるプロ14年目の木村昇吾だ。

 チームが宮崎県日南市でキャンプインした2月1日、入団テスト生として参加。合格となり、2月5日に入団会見が開かれ「ゼロからのスタートで頑張りたい」と目を輝かせた。

 昨季まで所属した広島では、守備固めや代走といった試合終盤の「切り札」として、72試合に出場。今年も広島の構想に入っていたが、昨年11月、球団にフリーエージェント(FA)権を行使する旨を伝えた。

 理由は、正遊撃手へのこだわりだった。2002年のドラフトで横浜(現DeNA)に入団してからずっと、「プロはレギュラーで試合に出てなんぼ」と考えてやっていた。しかし、「内野の便利屋」をこなすうちに、「いつしか満足している自分がいた」という。

 「そんな自分が嫌になった。それは違うやろって」。他の球団から何も約束されていないまま、飛び出した。12月末に西武の入団テストが発表されるまでは「不安でいっぱいだった」と苦笑いする。

 4月で36歳。広島に残留していれば、4千万円近い年俸が保証されていた。家族もいる。「守り」に入ることは不自然ではないが、遊撃争いに加われる場所を最優先で求めた。

 現時点で西武の遊撃は横一線。ライバルは多いが、「走攻守で安定しているし、実績もある」と田辺監督の評価は高い。21日の韓国ロッテ戦では、途中出場ながら適時打を放つなど、好スタートを切った。

 今季の推定年俸は、広島時代から半額近い約2千万円になった。「決断に後悔はない。でも一番すごいのは、OKしてくれた(1歳上の)嫁です。僕の気持ちを分かってくれた。その分、頑張らないとね」(遠田寛生)

こんなニュースも