資生堂は、再生医療の技術を使って薄くなった髪の毛をよみがえらせる臨床研究を年内に始める。毛髪研究に取り組む専門医らと協力して効果や安全性を確かめる。厚生労働省への手続きなどを経て、日本やアジアで2018年中に事業を始める方針だ。

 研究開発を統括する岩井恒彦副社長が明らかにした。医療機関で、患者の後頭部から毛がある頭皮を直径5ミリ前後の円形に切り取り、専門施設で、髪の成長に重要な細胞を取り出して培養して人工的に増やす。その細胞を脱毛部分に移植すれば、毛髪を支える組織が元気になり、髪がよみがえる仕組みだという。

 植毛ほど頭皮を大きく切り取る必要がなく患者自身の細胞を活用するため、移植後の拒絶反応が小さく、男女とも使える利点がある、と資生堂はみている。

 資生堂は13年、毛髪再生技術開発のバイオ企業「レプリセル・ライフ・サイエンス」(カナダ)と技術提携。14年5月には細胞の培養と加工を手がける拠点を神戸市に設け、15年に「細胞加工製造」の許可を得た。自由診療となる見込みで、治療費用は「少なくとも10万円以上ではないか」(岩井副社長)という。(伊沢友之)