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 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設をめぐり、自民党は25日、客席のイスを木製にするよう、遠藤利明五輪担当相に申し入れた。国内の林業振興につなげる狙いだが、数十億円の追加費用がかかる見込みだ。建設費で混迷した新国立にとって新たな火種となりかねない。

 昨年末に決まったデザインは屋根やひさしへの木材活用が目玉の一つで、建設費は1490億円が上限。これに対し、自民は「より日本らしい素晴らしい施設にするため」として、木製イスの採用を要請。遠藤氏は「私もできればそうしたい。問題点を少し研究したい」と応じた。

 申し入れを決めた自民の会合では「(建設費の)上限を超えたら急に国民が怒り出すとも思えない」「カネのことは(党に)任せて」などと、建設費の増加を容認する意見も出た。自民は追加費用について寄付を募る考えだが、十分な資金が集まる見通しはない。

 建設を担当する大成建設や建築家の隈研吾氏らのチームは、5月中に基本設計をまとめる予定で、主な素材についても決める見通し。23日にあった政府の会議で、同チームの担当者は、新国立の木材活用について「全国各所からお問い合わせがある」と、多くの林業関係者が受注を目指していると明かしていた。(山岸一生)