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■キャンプの素顔

 オリックスの打撃練習中、投手を見て「あれ?」と思った。ユニホーム姿の打撃投手の隣で、チームのトレーニングウェアで投げている人がいる。しかも、見慣れた顔。広報部課長兼管理部課長の熊谷泰充さん(39)だった。

 プロでの経験はないが、元々は野球選手。小学4年から宮城県多賀城市の少年野球チームに入り、中学3年の5月まで投手だった。当時、中学生としては速い130キロ程度を投げて、地元で一目置かれる存在だった。だが「たぶん打ちやすかったんだと思う。だから、監督から配球を学べと言われて」と捕手に転向。そこで才能を発揮し、高校、大学も捕手だった。

 大学卒業後は球団職員となり、1999年ぐらいから打撃投手もこなす。きっかけは「キャッチボールしている姿を見て、誰かが『こいつなら投げられる』と思ったんじゃないでしょうか」。基本的にはキャンプ限定だが、シーズン中でも選手の早出特打などに付き合うことがある。

 昨年は打撃投手にけが人が出て、シーズン中の試合前練習でも投げた。報道発表資料を作る合間、「選手から要求されるから」と、本拠の京セラドーム大阪でカーブやスライダーを練習することも。これまで肩やひじの影響で投げられなくなったことはない。「親からもらった体に感謝です」

 25日は宮崎、原、縞田、岩崎を相手に真っすぐを計100球。今後も休日を除き、28日の最終日まで毎日投げる予定という。「選手に『打ちやすい』と言ってもらえる時もある。中学で投手をクビになったのが今につながっている」と“投げる広報課長”。投げている時は「勝ちたいとしか思っていない!」。戦っているのは、選手だけじゃない。(井上翔太

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