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 大阪市住吉区で3年前、生後2カ月の長男に暴行を加えて死なせたとして傷害致死罪に問われた父親の契約社員・石戸真史(いしどまさし)被告(37)の裁判員裁判の判決が26日、大阪地裁であり、田村政喜裁判長は無罪(求刑懲役8年)を言い渡した。亡くなる前後の様子や専門家の証言などから、犯行があったとされる時間帯より前に被告以外の人物による暴行があった可能性を否定できないと判断した。

 石戸被告は2013年3月25日朝、自宅マンションで長男の冬馬(とうま)ちゃんに暴行を加え、急性くも膜下出血や脳腫脹(しゅちょう)で死なせたとして逮捕・起訴された。被告は当時、事件後に離婚した妻(28)と長男との3人暮らし。捜査段階から一貫して暴行を否定し、無罪を主張していた。

 検察側は被告が長男と2人きりになった午前8時~午前10時半ごろを犯行時間帯としたが、判決は、法医学者がそれ以前に暴行があった可能性を否定できないとした法廷証言を重視。前日夜に長男が大量のミルクを吐いたことも踏まえ、暴行が前夜か未明にあったとみても矛盾しないとした。

 そのうえで、前夜から長男と妻が2人だけで寝室にいた時間がある▽妻が1カ月前に「今日も何回も冬馬を叩(たた)いた」などのメールを被告に送っていたことを挙げ、「あくまで可能性」としつつ犯行の機会は妻にもあったとし、暴行したのは被告以外にあり得ないとはいえないと結論づけた。

 大阪地検の田辺泰弘次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応する」とのコメントを出した。(阿部峻介)