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 野村証券の内部情報を顧客に漏らしたとして懲戒解雇された元社員の男性が、解雇無効などを同社に求めた訴訟で、東京地裁は26日、男性の解雇を無効とする判決を言い渡した。佐々木宗啓裁判長は「インサイダー情報を漏らしたとは言えない」と判断し、未払い賃金の支払いも命じた。

 判決によると、男性は2010年9月、東京電力の公募増資のうわさを聞き、社内の情報とあわせて顧客に伝えた。顧客はこの情報を元に、東電株を売買して利益を得た。証券取引等監視委員会が12年にこの顧客に課徴金納付を求めるよう勧告したのを受け、男性は懲戒解雇された。

 判決は、男性が顧客に伝えた情報は、「断片的なもので重要な情報には当たらない」と指摘。監視委の勧告については「事実誤認の可能性を否定できない」と述べた。

 野村証券をめぐっては、この件を含めて複数のインサイダー取引が12年に表面化。親会社の「野村ホールディングス」の経営トップが同年7月に引責辞任し、野村証券は金融庁から業務改善命令を受けた。

 野村証券は「個別事案につき、コメントは差し控えます」とした。