1千人前後が保育所落選――。子育て世帯を中心に、関西有数の「住みたい街」として人気の大阪府吹田、豊中両市が、新年度を目前にして深刻な事態に陥っている。千里ニュータウン(NT)の再開発などに伴い、大規模マンションが続々と建設。喜ばしいはずの街の若返りが、保育所不足という新たな課題を生んでいる。

 吹田市では認可保育所や認定こども園など「認可保育施設」への4月入所に過去最多の2481人が申し込み、1次選考で4割にあたる1018人の行き先が決まらなかった。

 「まさか全部落ちるなんて」。長女(1)の入所を申し込んだ公務員の女性(30)は途方に暮れた。申込書には第6希望まである記入欄の欄外まで計8カ所の施設名を書いた。「育休は延ばしたくない。認可外の保育所に預けるしかない」と話す。

 市が選考結果を発送したのは先月12日の金曜日。週明けの月曜日、市役所は赤ちゃん連れの母親らであふれた。電話が鳴り続け、職員総出で対応。順番を待つ人の椅子が足りず、別の場所からいくつも運ばれてきた。

 40代の公務員の女性は、長女(2)の預け先が申込書の欄外に書いた保育所に内定した。だが、駅から遠くて電車通勤ができない。別の園に変えたいと窓口で交渉したが、だめだった。

 相談中、左右の窓口から同じように詰め寄る保護者の声が聞こえてきた。

 左隣では「どうやって育てていけばいいんですか」と母親が泣き叫び、選考で有利なひとり親家庭にするためか、「明日、離婚します」と父親が語気を強めた。右隣では赤ん坊を抱いた母親の横に祖父母が立ち、「何とかせいや」とすごんでいた。

 女性は「新しいマンションが次…

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