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 宮崎市のマンションで2013年10月、沢木友美さん(当時27)の遺体が見つかった事件で、殺人や死体損壊・遺棄などの罪に問われた無職東竜二被告(30)の裁判員裁判の判決が29日、宮崎地裁であった。

 瀧岡俊文裁判長は「非人間的で常軌を逸した犯罪。荒唐無稽で不合理な弁解に終始し、更生可能性は極めて低い」と、懲役25年の求刑を上回る無期懲役を言い渡した。弁護側は控訴する方針。

 判決によると、東被告は13年8月15日昼ごろ、金丸真菜実(25)=懲役12年が確定=と阿部祐美(まさみ)(24)=同5年が確定=の両受刑者と共謀。沢木さんの鼻や口をタオルでふさいで窒息死させ、遺体を包丁などで切断した。

 弁護側は「被告が沢木さんの口と鼻を塞いで殺害した」と証言した金丸受刑者の記憶は「不正確」と主張したうえで、「各証拠では被告の殺人を認定することはできない」と述べた。死体損壊・遺棄についても解離性障害などで心神喪失状態だったと訴え、無罪を主張していた。

 判決は「両受刑者の証言はおおむね合致しており、信用できる」と判断。「弁護人の主張は証拠に照らして説得力がない」として「殺害する意思を持ち、実行した」と殺人罪を認定した。死体損壊・遺棄罪については「言葉巧みに金丸受刑者を誘導し、死体の遺棄・損壊を主導した」と認定。「考えを巡らせて冷静に犯行を遂行していた」と完全責任能力も認めた。

 判決後に会見した裁判員には、判決が求刑を上回ったことへの質問が相次いだ。女性裁判員は「被害者が逃げられない環境の中で暴行したり、だましたりしている。25年の求刑はゆるいと思った」。男性裁判員も「評議の場で率直な市民の意見を代表して言えたことが、今回の結果につながった」と述べた。

 沢木さんの母親は代理人を通じ、「裁判員の方々に自分たちの訴えたいことを汲(く)んでいただき、感謝している」とのコメントを出した。(金山隆之介、河崎優子)