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 米国の大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」の人気観光都市ランキングで2年連続世界一に輝いた京都市で、急増する外国人観光客に向けて、運転手も簡単な英語や中国語を話せるタクシーの実証実験が1日に始まった。一方、伝統的な花街でも外国語対応が進む。変貌(へんぼう)の裏には、古都のマナーに疎い外国人観光客に対応せざるをえない事情も垣間見える。

■タクシー利用の外国人、4割どまり

 1日午前9時。京都駅北側の烏丸口のタクシー乗り場の一角に、外国人向けの「Foreign(フォーリン) Friendly(フレンドリー) TAXI(タクシー)」の看板がお目見えした。大きなスーツケースを引いた中国人やドイツ人がやってくると、男性運転手は英語で目的地を尋ねて出発した。

 京都市や国土交通省などが実施する実証実験で、市内の大半のタクシー会社や個人タクシーの団体などが参加する。語学や外国人への接し方について研修を受け認定された87人の運転手がハンドルを握る。大型の荷物2個を搭載できるタクシー約60台を確保。車の屋根に英語表記の行灯(あんどん)を載せ、車体側面にはステッカーを貼ってアピールする。

 京都市は2014年の外国人宿泊者数が183万人と、2年連続で過去最多を更新。だが、市が15年に行ったアンケートによると、日本でタクシーを利用した経験のある外国人は4割どまり。求めるサービスを尋ねたところ、4割が「運転手の語学力」を挙げた。

 市は同年10月、タクシーの業界団体などと実行委員会を発足。大阪市などの先行例を参考に議論を進め、実験を開始した。来年3月ごろまで1年間続ける。

 市によると、外国人の乗車をめぐるトラブルを防ぐ狙いもあるという。担当者は「もっと安心して外国の方にもタクシーでの観光を楽しんでもらいたい」。(波多野陽)