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 防衛省が発注する自衛隊の戦闘服などの入札で談合をした疑いが強まったとして、公正取引委員会は1日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで大手繊維メーカーのユニチカ(大阪市中央区)とクラレ(東京都千代田区)、大手商社の丸紅(同)など計8社に立ち入り検査に入った。

 検査を受けたのはほかに、武蔵富装(同)や双日ジーエムシー(東京都港区)など商社5社。関係者によると、各社は数年前から、防衛省が発注する戦闘服などの衣類の入札で事前に話し合って落札者を決めていたとみられる。

 入札は繊維メーカーが参加し、繊維メーカーが商社を通じてアパレルメーカーに製造を委託するケースが多いという。主にクラレ、ユニチカの繊維メーカー2社が事前に調整していたとみられるが、丸紅などの商社が入って落札予定業者を決める入札もあったとされる。

 防衛装備庁などによると、自衛隊の戦闘服の多くは「ビニロン」と呼ばれる繊維を使っており、燃えにくいように加工されているものもある。日本化学繊維協会によると、日本の主要な繊維メーカーでビニロンを製造するのは、クラレとユニチカ、ユニチカの子会社だけだという。

 装備庁が公表している契約概要によると、2010~14年度の戦闘服などの落札総額は、クラレが80件で計約141億円、ユニチカが45件で計約70億円にのぼった。

 立ち入り検査を受けた企業は「検査には全面的に協力する」(クラレ)などとコメントした。(贄川俊)