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 第2次大戦後の台湾で国民党政権が住民を弾圧した「2・28事件」から69年となった28日、台湾各地で記念行事が行われた。「二二八事件紀念基金会」が台北市で開いた式典には、外国人として初めて賠償が認められた日本人犠牲者の遺族らも出席した。

 台湾を植民地統治していた日本が撤収し、当時の中国の政権「中華民国」による統治が始まって間もない1947年、たばこの密売取り締まりをきっかけに当局への住民の抗議が全島に拡大。当局が徹底的な弾圧に乗りだし、1・8万~2・8万人の死者が出たとされる。「2・28事件」と呼ばれ、台湾社会に今も深い傷痕を残している。

 式典に出たのは、沖縄県浦添市在住の青山恵昭(けいしょう)さん(72)ら。青山さんの父、恵先(えさき)さんは47年3月8日ごろ、台湾北部・基隆を訪れ、事件に巻き込まれた。青山さんは賠償金支払いを求めて提訴。台北高等行政法院は17日、賠償金600万台湾ドル(約2千万円)の支払いを基金会に命じる判決を出し、基金会は上訴しないことを決めた。

 青山さんは式典後、「勝訴は台湾の良識と良心の表れ。父も天国で喜んでいるはず。式典に出席できて感無量」と話した。一方、台湾側には元日本兵の台湾人や台湾人慰安婦への日本の戦後補償が不十分との不満もある。式典に出た馬英九(マーインチウ)総統は「我々は先に友好の手を差し伸べた」などと述べ、日本側の対応に期待感を示した。(台北=鵜飼啓