[PR]

 関西電力は29日、高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)で発電と送電を始めた直後に変圧器周辺でトラブルが起き、原子炉が自動で止まったと発表した。高浜4号機は20日に原子炉補助建屋で放射性物質を含む水漏れが見つかり、点検して26日に再稼働したばかりだった。3月下旬の営業運転開始をめざしていたが、遅れる可能性が出てきた。

 関電は原因を調査中で、放射能漏れはないとしている。関電によると、高浜4号機の原子炉の熱で発生させた蒸気を使って発電機のタービンを回し、出力5%で送電を始めた29日午後2時1分、発電機と変圧器の故障を知らせる警報が鳴り、発電機が止まった。その1秒後に原子炉が自動で緊急停止し、核燃料の核分裂反応を抑える制御棒がすべて差し込まれたという。

 発送電の開始を報道陣に公開している最中のトラブルだった。関電はトラブル発生直後に原子力規制委員会や福井県などに報告した。関電は原発のトラブルを公表する基準を、公表しない「レベル0」から、速やかに公表する「レベル4」の5段階に分けており、今回は原子炉停止が必要なレベル4だった。

 関電はトラブルの詳しい原因を調べているが、送電線につながっている変圧器周辺で異常が発生した可能性が高いという。この変圧器は、タービン建屋の発電機で起こした電気の電圧を送電前に2万3千ボルトから50万ボルトに上げる設備。現場付近で火や煙などは出ていないという。関電の木島和夫原子燃料サイクル部長は29日の記者会見で、「非常に申し訳ない。原因を究明し対策をとりたい」と話した。

 関電の原発で原子炉が自動停止したのは、2008年11月に美浜1、2号機が送電線への落雷の影響で停止して以来となる。高浜4号機は、99年10月に京都府内の変電所のトラブルで自動停止したことがある。発電と送電を始める作業で停止したのは初めてという。

 高浜4号機は運転開始から30年余り。再稼働を準備していた20日に原子炉補助建屋の配管で放射性物質を含む水漏れが見つかった。関電は22日、原因を「配管の弁のボルトが緩んでいた」と発表。同様のボルトをすべて点検し、予定より1日遅れで「起動試験」を始め、当初の想定通りの26日に再稼働していた。隣に立つ高浜3号機は1月29日に再稼働し、2月26日から営業運転に入っている。(伊藤弘毅)