東京都西東京市の市立小学校で2006年、新任の女性教諭(当時25)が自殺したことをめぐり、女性の両親が公務災害と認めなかった処分の取り消しを「地方公務員災害補償基金」に求めた訴訟で、東京地裁は29日、処分を取り消す判決を言い渡した。吉田徹裁判長は「自殺は公務が原因。短期間にストレスが重なり、学校による十分な支援もなかった」と認めた。

 判決によると、女性は06年4月に着任し、2年生の学級担任に。児童の万引きや保護者からのクレームなどのトラブルが相次ぎ、7月にうつ病を発症し、自殺を図って12月に死亡した。

 同基金は「うつ病になるほどのストレスはなかった」と主張したが、判決は「新任教諭には相当のストレスで、上司らの手厚い指導が必要だったのに、指導された形跡がない」と指摘。西東京市教育委員会の研修で指導者が「病休・欠勤は給料泥棒」と発言したことも「かえって負荷を増加させかねない発言だった」と述べ、市教委の対応を批判した。

 判決後に東京都内で会見した女性の父親(67)は、「次世代を担う子どもたちの育成の場に、決して過労死を持ち込まないで欲しい」と話した。