[PR]

■特集(就活面接の裏側)

 日本の旅を変えようと格安航空券の販売から急成長した、旅行業界の風雲児「エイチ・アイ・エス」。旅が好きな人は多いもの。では、旅を仕事にするには何が大切なのでしょうか。採用・教育グループの居石麻衣佳さん(26)と、小林強一グループリーダー(43)に、採用活動で求める人材像を聞きました。

 ――エントリーシートや面接は、やはり旅行の話題が中心なのですか。

 居石さん 「旅行経験は重視しますし、学生もその話をしたくてくるんだと思います。ただ、準備してきた旅行の話だけで終わってしまうと、学生の本当の部分が見えてきません。旅行経験に限らず、頑張ってきたことについて、掘り下げて質問し、その人の本質を見るようにしています」

 小林さん 「旅行って基本的にみんな好きじゃないですか。50カ国以上の海外渡航経験がある人や、留学で1年、2年と海外にいた人も多い。そんな学生に対しても、なぜそこの場所を選んだのか、何をしたのか、何を得られたのかという本質を聞きたいと思っています」

■旅への思い、説得力生む

 ――単に旅行経験を並べればいいわけではないのですね。

 小林さん 「実際に入社した人の例をあげると、世界各地をめぐり、ふんどし姿で撮影した写真集を、面接に持ってきた学生がいました。奇抜な行動のようですが、話を聞くと理由がきちんとある。『ふんどしは日本文化の象徴であり、現地の人と友好関係をつくるうえでの入り口になります』と。何よりも写真集には、現地の人と密に交流したことが伝わってくる写真が、たくさんあった。そうした旅への思いや経験をもとに志望理由を語られると、面接する側に響くものがありました」

 居石さん 「旅行が好きだという気持ちは、仕事を続けるうえでも大切です。弊社では、昨年秋の内定式はスーツ禁止にして、世界の民族衣装での参加を募りました。狙いは『お客様に旅行の楽しさを提供するには、まず私たちで実践する』です。参加をした内定者も、皆楽しんでいました」

 「しかし、私自身の就職活動を振り返ると、旅行の話はあまりしませんでした。入社時点では2、3カ国しか海外への渡航経験が無かったので、その点を強く打ち出せなかったんですね。旅が好きというよりも、優れたサービスでお客様を喜ばせたい、その仕事のなかで自己を成長させたいという思いを伝えました」

■アウトプットの力に注目

 ――では、面接では、どのような点に注目しているのですか。

 居石さん 「明るく元気でコミュニケーションがとれるか、という点は大切です。サービス業ですので、お客様の前に出ますし、弊社のDNAとしても『明るく元気』というのがキーワードになっています。私自身も、面接の時は第一印象を大切にして、明るい表情で相手の目を見て話すなど、入り口の部分で気をつけるようにしています」

 小林さん 「旅という商品は無形の商材であり、お客様が楽しむ前に、比較的高額な代金をいただかなくてはなりません。そのため社員には、お客様の希望をきちんと反映した旅を提案し、納得していただく力が絶対に必要です。面接でも明るく元気で、誠実感があり、アウトプットの能力があるかどうか、という点には注目しています」

 ――海外を飛びまわる印象があります。語学力も必要では。

 小林さん 「語学力で採用の判定を線引きすることはありません。ただ、語学力を磨いてきたことは評価のポイントにはなります。実際、早い人は入社3年目くらいから海外赴任をし、5~6年目になるとさらに人数が増えます。ただ、面接でも海外への関心がある人は多いですが、憧れだけではなく、現地に行って何がしたいのか、といった点まで考えて欲しいですね」

■真剣に企業研究を

 ――居石さんは、就職活動でどのような工夫をしましたか。

 居石さん 「自己PR、志望動機などエントリーシートの各欄には、ひとつずつ違うエピソードを書くようにしました。会って話をしてみたいなと思われるような内容にしたかったからです」

 ――どのようなエピソードを盛り込んだのですか。

 居石さん 「自己PRは、故郷の三重県で、成人式の同窓会幹事を務めたことを書きました。東京の大学に通っていたので、故郷で動くことができません。地元の友達に声をかけて手伝ってもらい、自分ができることと、地元にいないとできないことを分担して、準備を進めました。結果、出席率は95%、100人以上の元同級生に参加してもらうことができました。なにかをやり遂げるには、自分から働きかけて、周りと一緒に進めていくことが大切だと学びましたね」

 「意識をしたのは、出席率や人数など数字をきちんと盛り込んで話し、イメージを伝わるようにしたこと。また、経験から何を得て、それを会社に入ってどういかしたいのか、つながるように工夫しました」

 ――最後に、就職活動生へのアドバイスをうかがわせてください。

 小林さん 「最近感じるのは、企業研究をあまりしない学生が多いということです。旅行業界は学生がその気になれば、店舗を訪れて、社員が働いている場を見ることができます。しかし残念ながら、面接で『営業所を訪れたことがない』『情報はネットで見ました』という人が多い。真剣度はそうした点から、自然と面接する側にも伝わります。50社100社と受けるなかで、時間は限られているとは思いますが、志望の企業のことは真剣に調べることをおすすめしています」

 居石さん 「どの業界でも同じですが、志望企業が同業他社とどう違うのか、知っておく必要があると思います。エイチ・アイ・エスなら、ベンチャーから成長した企業ならではの、新規事業へ挑戦してきたという歴史があります。そうした知識があると、面接でもどうしてその企業に入りたいのか、思いが伝わりやすくなると思います」(信原一貴)