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 認知症の当事者でつくる「日本認知症ワーキンググループ」が、地域社会でよりよく暮らしていくための提案をまとめた。その中で「私たちが外出することを過剰に危険視して監視や制止をしないで」などと要望。認知症の男性が列車にはねられた事故で遺族がJR東海から損害賠償を求められた訴訟をめぐり、3月1日に言い渡される最高裁判決を前に打ち出した。

 この訴訟の一、二審では、認知症の人による徘徊(はいかい)について他人に害を及ぼす危険性がある行為と判断。介護に関わる人からは、最高裁の判決次第で認知症の人を閉じ込める方向に進む懸念が示されている。

 今回の提案では、過剰に監視したり外出を制止したりすることは「私たちが生きる力や意欲を著しく蝕(むしば)む」と指摘。これから高齢になる人たちも希望や尊厳を持って生きられなくなる、と訴えた。

 そのうえで、認知症の当事者と地域の様々な人たちが一緒になって、外出を当たり前のことととらえ、自然な見守りやサポートができる地域社会を作っていくことを求めている。

 このほか、認知症の当事者が集まって主体的に活動できる場をすべての市区町村に設けることや、認知症の施策を作る過程で当事者の声をいかし、当事者に役立つものにすることなどを盛り込んだ。(友野賀世)