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 将棋の棋士とコンピューターソフトがしのぎを削る、第1期電王戦二番勝負が9日開幕する。棋士の代表は関西に拠点を置く山崎隆之八段(35)、対するのは最強ソフトと言われ、対人間で無敗を誇る「ポナンザ」。囲碁と同様、将棋でもコンピューターが強さを見せつけるのか、人間が一矢報いるのか。

 囲碁では、人工知能「アルファ碁」が韓国の李世●(●は「石」の下に「乙」、イセドル)九段を圧倒して話題となった。将棋では、5人の現役棋士と五つのソフトが団体戦で対局する電王戦が、2013年から開かれてきた。過去3大会の通算成績は棋士が5勝9敗1分と負け越している。

 今年の電王戦は4月9、10日に岩手県の中尊寺、5月21、22日に大津市の延暦寺で指される。今大会から、棋士側とソフト側でそれぞれトーナメントが開かれ、1位同士が一騎打ちする形に変わった。154人の棋士の中から勝ち上がったのが、山崎八段だ。

 広島出身で17歳のときにプロに。独創的な将棋で知られ、関西の大器と目されていたが、挑戦者になった09年の王座戦で羽生善治名人(45)に敗れるなど、一世代上の厚い壁に跳ね返されてきた。今大会では8連勝して出場を決めた。昨年に誕生した長女の存在が力になったと言う。

 公の場でソフトと対局するのは初めてだが、ポナンザの研究を進めてきた。「見たことがないような手を指すことがある。先入観を捨て、丁寧に手を読んで戦いたい」と語る。

 一方のポナンザは電王戦史上、現役プロから初めて白星を奪ったソフトで、これまで佐藤慎一五段、屋敷伸之九段、村山慈明七段に打ち勝ってきた。昨年は世界コンピュータ将棋選手権でも優勝している。今大会では28のソフトの中から勝ち上がった。

 今大会に向けてバージョンアップし、従来の定跡にこだわらず独自の手を指せるようになったという。開発者の山本一成さん(30)は会見で「前の年のバージョンに7、8割勝てる。自信はあります」と力を込めた。(村瀬信也)