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 2016年度予算案の今年度内成立が確定し、夏の参院選に向けた各党の動きが本格化する。憲法改正がかつてなく問われる選挙となり、自民、公明両党に一部野党を加えた改憲勢力が「3分の2」を得るかどうかが焦点だ。衆参同日選も視野に入る中、選挙結果によっては、いまの憲法がつくってきた国のありようが変わる可能性がある。

 「自民党総裁として、党が長年言ってきた憲法改正をやりたい。緊急事態条項の改正はできないでしょうか」

 安倍晋三首相は最近、懇意にしている公明党の太田昭宏前国土交通相に打ち明けた。大災害や戦争時の政府の権限などを定める緊急事態条項の新設は、自民党が改憲の有力な項目に掲げる。

 「緊急事態はあいまいだから、なかなか簡単ではないですよ」。太田氏は首相にこう返したが、改憲への強い思いを感じ取った。

 安倍首相は年明け以降、憲法改正をめぐる発信を強めている。1月4日の年頭記者会見では「参院選でしっかり訴えていく」と表明。3月1日の衆院予算委員会でも、「『3分の2』が可能となったもの(項目)から憲法改正に取り組んでいきたい」と述べた。民主党の緒方林太郎氏が「お試し改憲だ」と批判すると、首相は「できるものからというのは当たり前だ」と強く反論した。

 首相に呼応するかのように、首相自身が特別顧問を務める日本会議国会議員懇談会の憲法改正プロジェクトのメンバー十数人が1日、「国家緊急事態と人権保障」をテーマに国会内で勉強会を開いた。出席議員は「憲法改正は参院選の争点になるべきだ」。

 憲法改正については自民内にも「訴えても票にならない」(参院ベテラン議員)と消極的な声がある。だが、それでも首相は「我が党は結党以来、党是として憲法を改正すると申し上げている」と繰り返す。党是とは、結党時の「政綱」に盛り込まれた「現行憲法の自主的改正」との文言だ。首相が敬愛する祖父・岸信介氏が初代幹事長として深く関わり、首相にとっても悲願だ。

 首相は夏の参院選を、悲願を実現に近づける最大のチャンスと位置づける。憲法改正の発議には、衆参各院で「3分の2」以上の賛成が必要。衆院では自公両党で3分の2を確保しており、参院の議席が焦点になる。

 自公に加え、改憲に積極的なおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の4党で78議席を得れば、参院で改憲勢力が3分の2に達する。2013年の参院選では自公だけで76議席を得ており、首相官邸の関係者は「大きく取りこぼさなければ、3分の2に届く可能性がある」と語る。

 「自公だけでなく、改憲を考え…

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