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 東日本大震災から、もうすぐ5年。東北などの各県では今も復興事業が継続中だ。人々の感じたことをわかりやすく伝えるコンテンツともいえるマンガはこの年月を、また人々を、どう描いてきたのだろう。

 大震災を機に生まれたマンガの作品群は当初、マンガ家たちが自らのキャラクターなどを使って応援メッセージを発するものから始まり、次第に、被災した非日常の経験を描いたもの、原発事故を描いたものへと推移していった。だが、今なお連載が続く作品は決して多くない。

 昨年10月まで連載され、東京電力福島第一原子力発電所(1F)の解体工事現場のリポートとして注目を集めたのが、「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記」(講談社モーニングKC)だ。

 作者の竜田一人さんは「自分が経験したものは描き終えたので、いったん休みにした。また働きに行けたら続編を描きたい」と話す。

 それまで東京近郊の知人の会社にいたが、震災後、「どうせなら被災地で」と原発関連の求人を探した。2012年6月、元請けから数えて7番目の6次下請けの管理員として原発の休憩所で働き始める。

 翌年、連載開始。作品では解体現場での日常を淡々と描いたが、「優れたルポ」と評価される一方、「東電の回し者」「原発の危険を過小評価している」といった批判も受けた。

 「原発については、推進・反対・中立のいずれの立場もとった覚えはない。ただ、あの場所の変貌(へんぼう)をリアルタイムで伝えたかった」と竜田さんは言う。

 「今年は5年という節目で騒がれているが、単なる通過点。この節目が過ぎれば急速に話題から遠のく可能性もある。何を忘れずにいるのか、そのためにどう行動するのか、それが問われているのだと思います」

 福島の高校生たちの被災後の暮…

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