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★キャンプの素顔・総括編

 「2年目のジンクス」。新人時代の活躍が強烈な選手ほど、この言葉がつきまとう。西武にもこの壁を打ち破るべく、キャンプでの練習に明け暮れた選手がいる。19歳の高橋光だ。

 2013年の夏の甲子園で、群馬・前橋育英高を初優勝に導いた右腕。189センチ、90キロと体格にも恵まれた本格派だ。昨季は8月に1軍に昇格すると、8月だけで4勝し、両リーグを通じて史上最年少となる月間MVPを受賞。一気に注目度が上がった。

 開幕時の先発ローテーション入りを目標にする今季は、多くの課題と向き合っている。まずは投球フォームだ。「テーマは躍動感。体も大きい方なので、大きく使って投げる」。イメージ通りに投げられたときは、周囲がため息を漏らすほど力強い球がいく。ただ疲労度によって、フォームが変わり、球がばらつく。

 最も改善したいのは「ボールを減らしたい」という制球力だ。昨季1軍での登板は8試合あったが、6回以上投げたのは、完封したロッテ戦を含めて2試合だけ。ローテーションに入るからには、できる限り長いイニングを投げて救援陣の負担を減らすことが求められる。無駄なボール球が減れば、球数も少なくなる。

 精神的なタフさも身につけたいところだ。2月14日の紅白戦では、三回まで許した走者は死球での1人だけだったが、四回に風に乗った打球が本塁打になると、味方の失策も絡みこの回7失点(自責2)。気持ちの整理ができず、メンタルのもろさを露呈した。

 だが、まだ19歳。体も心も、発展途上だ。特に今春のキャンプは自身初めてのA班(1軍)参加で、緊張した姿も見られたほど。本人も「振り返って思えば、練習の雰囲気にのまれていた。右を見ても左を見ても先輩たちがすごい球を投げているので」と苦笑いする。渡辺シニアディレクター(SD)も「まだ2年目。多少荒れていてもいい。小さくまとまる必要はない」と期待を寄せる。

 昨季チームは、69勝69敗5分で4位と低迷した。エース岸、開幕投手の菊池ら先発の枚数はそろっている。だが、優勝奪回には、高橋光の進化が必要。そう思わせるだけの素材といえる。(遠田寛生)

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