テレビ時代劇「遠山の金さん捕物帳」などで知られ、1月に85歳で亡くなった歌舞伎俳優で劇団前進座代表の中村梅之助さんの劇団葬(藤川矢之輔葬儀委員長)が3日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。映画監督の山田洋次さん(84)や俳優の里見浩太朗さん(79)、松平健さん(62)ら約750人が訪れた。

 祭壇の遺影は1万5千本の白菊に囲まれた。長男で俳優の梅雀さん(60)が「前進座を守ろう、良いお芝居を作ろう、お客さんに喜んでもらおうと最後まで闘った父を誇りに思っています」とあいさつした。山田監督は「演劇や文化、たくさんのことを語り残してきたかったと悔やんでいらっしゃる気がしてなりません。その気持ちを想像しながら、豊かな作品を作る仕事を続けなければと心に念じています」、脚本家のジェームス三木さん(80)は「人なつっこい丸顔で大河ドラマの主役や遠山の金さんを演じ、ファンを魅了した梅之助さんはずば抜けて存在感ある俳優でした」などと弔辞を述べた。

 俳優の西郷輝彦さん(69)は「遠山の金さんの明るさ、笑顔は天性のもの。心がそのまま出ているようでした。気品もあって素晴らしかった」と惜しんだ。

 梅之助さんは、前進座創立メンバーで名優の中村翫右衛門(かんえもん)さんの長男に生まれた。1945年に前進座に入り、99年から代表を務めた。「勧進帳」の弁慶や「魚屋宗五郎」の宗五郎などが当たり役だった。(山根由起子)