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■ウォッチ 米大統領選2016

 「米国民は強く、大胆で、決断力があるリーダーを求めている!」

 候補者選びの山場、スーパーチューズデーの夜。記者会見に臨むドナルド・トランプ氏を紹介する、クリス・クリスティー・ニュージャージー州知事の言葉は勇ましかったが、しぐさは不思議とおとなしかった。

 トランプ氏が30分以上話し続ける間、クリスティー氏はずっと背後に立ったまま。表情をほとんど変えず、視線はトランプ氏の後頭部に釘付け。時折、カメラに向ける目には、失望とも後悔とも取れる雰囲気が漂っているように見えた。

 大胆な物言いが売りのクリスティー氏はかつて、大統領選の本命の一人だった。しかし、高圧的な態度や地元でのスキャンダルがたたり、支持は低迷。撤退後には一転、トランプ氏の推薦で周囲を驚かせた。

 自分よりさらに大胆な「勝ち馬」に乗ることで、副大統領や司法長官を狙ったという観測も飛び交うが、真相はもちろん不明。ただ、会見の時の目線には米メディアやネットの話題も集中している。「まるで人質事件のビデオ」「魂を売ったことに気付いたようだ」といった厳しい評価が目立つ。(中井大助