[PR]

 「エスタブリッシュメント(既成勢力)は、さぞ不満だろう。私は自分で選挙資金を賄い、彼らの金を受け取らない。コントロールされずに米国民のために正しいことをしていくんだ」

 5日夜のフロリダ州パームビーチ。同日、米大統領選の予備選・党員集会で2勝をあげたドナルド・トランプ氏は集まった記者に自信たっぷりにこう語った。企業のロビー活動や共和党主流派を皮肉り、「党の異端児」であることをむしろ誇った。

 昨年6月、メキシコ不法移民を「麻薬密売人」「強姦(ごうかん)犯」と決めつけ、物議をかもした。NBCテレビがトランプ氏と連携した人気番組の放映を中止し、百貨店メーシーズもシャツなどの「トランプ」ブランドの商品を撤去するなど、様々な企業が「社会的制裁」に踏み切った。

 党運営を仕切る全国委員会のトップ、プリーバス委員長も7月上旬、ひそかにトランプ氏に電話した。「表現を和らげるように」との注文だったが、同氏は引き続き、「反移民」を演説の柱に据え続けた。

 公然と共和党幹部の要請を無視できるのは、トランプ氏が「無所属での立候補」という切り札を持っているからだ。

 仮にトランプ氏が無所属で出馬すれば、保守票が割れる。1992年、無党派のロス・ペロー氏が立候補したことで、当時のブッシュ大統領が民主党のビル・クリントン氏に負けた悪夢がよみがえる。

 結果として、異端児は野放しとなった。昨年8月、共和党の初めての討論会で、女性司会者が「トランプ氏は女性を見下す傾向がある」と追及すると、同氏は翌日、こうインタビューに答えた。

 「彼女の目からは血が流れていた。どこであれ、血が出ていたよ」

 これは女性の生理を指して侮辱…

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

お得なシンプルコース980円が登場しました。詳しい内容はこちら