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 21年前に大阪市東住吉区の小6女児が死亡した火災で無期懲役とされた母親ら2人について、大阪地検はやり直しの裁判(再審)でも有罪主張を続ける方針を固めた。最高検の意向も踏まえて最終判断し、16日にある弁護団との協議で明らかにするとみられる。

 青木恵子さん(52)と内縁の夫だった朴龍晧(ぼくたつひろ)さん(50)は95年7月に保険金目的で自宅に放火し、長女めぐみさん(当時11)を殺害したとして無期懲役の判決が確定。だが大阪地裁が2012年3月、弁護団の燃焼実験をもとに駐車場にあった軽ワゴン車のガソリン漏れによる自然発火の可能性を認め、再審開始を決定。大阪高裁も昨年10月にこれを支持し、2人は刑務所から釈放されて再審が正式に決まった。

 検察側は再審に向けた先月の協議で、弁護団が保管する車の実況見分をしてから今後の主張を示すことに合意した。捜査関係者によると、地検はその後、弁護団立ち会いのもとで車の燃料系統を調べて燃焼状況を確認し、ガソリン漏れの具体的な痕跡は見られないと判断。自然発火の可能性は低く、捜査段階の自白は信用性があるとする従来の主張を覆す新たな事情はないと結論づけたとみられる。

 最高裁によると、死刑か無期懲役刑が確定した戦後の事件で再審が始まったものは8件。うち再審公判で検察側が有罪主張を維持したのは1948年の強盗殺人事件「免田事件」、67年の強盗殺人事件「布川事件」の2件だけで、いずれも無罪が確定している。