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 iPS細胞を創薬に応用する一環として、ヒトのiPS細胞から作った心筋の細胞などを組み合わせた「心臓」のモデルの作製に大阪大の研究チームが成功した。薬の副作用の研究につなげる。17日から大阪市で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 肺がんや胃がんなどの治療に使う抗がん剤は、副作用として心臓に悪影響を及ぼすことが課題になっている。こうした副作用を体外で調べるには、細胞を組み合わせて生体に近い状態に模す必要がある。心臓のような立体的な構造を再現するには、遠心力を使って細胞を積み上げる手法があるが、作製過程で細胞が傷むことが課題だった。

 阪大の明石満特任教授らは、フィルターを使い、狙った位置に細胞を積み上げる手法を開発。iPS細胞から作った心筋や血管の元になる細胞などを「接着剤」のたんぱく質と混ぜ、10層に積み上げて心臓の組織の再現に成功した。血管が張り巡らされ、栄養と酸素を与えれば拍動する。

 この組織に抗がん剤をかけて影響を調べたところ、抗がん剤の濃度を約50倍に高めても拍動数はほとんど変わらなかった。実際の心臓のように、細胞同士が複雑に関わり合うことで、抗がん剤の悪影響を抑えたと見られる。

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