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 熊本県和水(なごみ)町で2012年7月、いじめを受けていた町立中学3年の男子生徒(当時14)が自殺し、両親が町に約1100万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が4日、熊本地裁(中村心裁判長)で成立した。町側がいじめがあったことを認めるなどし、解決金350万円を支払う内容で、福原秀治・和水町長が法廷で男子生徒の父親(55)に直接謝罪した。

 男子生徒が学校で友人から首を絞められて失神した▽女性の名前で呼ばれ、からかわれた▽ズボンに入った虫を押しつぶされた、などのいじめを認定。町は男子生徒が自殺した当時の教育長や校長が当初「いじめはなかった」とした発言を撤回して謝罪するほか、再発防止に努めることも盛り込まれた。

 和解では、いじめと自殺の因果関係の有無には触れられなかったが、両親の代理人弁護士は同日の記者会見で「いじめを認め、解決金を払い、(条項には)『自死という結果を重く受け止め、いじめ防止に努める』と書いてあり、因果関係を認めたものと理解している」と話した。父親は「裁判の場でも、町がいじめを認めた。裁判を起こしたことには意味があったが、全てが解明できたとは言えない。裁判が終わっても息子は帰ってこない。私たちのような思いをする人が二度と現れないように願う」と語った。

 訴状などによると、男子生徒は12年7月10日に自宅で自殺。町側は当初、いじめを認めなかったが、町の第三者委員会が認定。14年10月に熊本地裁に提訴していた。(小原智恵)