[PR]

 発がん性物質を扱う福井県の化学工場で従業員ら5人が膀胱(ぼうこう)がんを発症した問題で、厚生労働省は4日、同じ工場で新たに従業員1人が発症したと発表した。厚労省は原因の特定を急ぐほか、労災認定に向けて専門家の検討会を立ち上げる。

 この従業員は性別や年代は非公表だが、発症との関連が疑われる物質オルト―トルイジンを扱っていた。厚労省はまた、福井の工場を運営する企業(本社・東京)の他県の工場でも退職者1人が発症したことも明らかにした。福井県以外の事業場調査でわかった6人の発症者の1人で、1月の発表時は同じ企業であることを伏せていた。この企業での発症者は退職者を含めて計7人になった。

 福井以外の68事業場の調査結果(3月2日時点)も公表。過去を含めてオルト―トルイジンの扱いがある51事業場(現職の従業員計約8500人、退職者数不明)のうち、新たに3事業場でそれぞれ退職者1人、計3人の発症者が見つかった。「現時点で業務との関連が高いとは言えない」(厚労省)という。

 厚労省は、事業場に対し労働者らへの健康診断を実施して結果を報告するよう求めているが、報告があった事業場はまだ4割で、発症者が増える可能性もある。(末崎毅)