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 2005年に起きた栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺害事件で、殺人罪に問われた無職勝又拓哉被告(33)の裁判員裁判は4日、宇都宮地裁で捜査段階の自白の任意性についての審理が始まった。弁護側は「黙秘すると警察官に平手打ちされた。強制や脅迫があり、意思に反した自白だ」などと主張した。

 被告は商標法違反罪で起訴された14年2月18日の取り調べで、殺害を自白したとされる。弁護側は同日以降、被告が殺人容疑で逮捕される6月3日まで殺人罪の取り調べを長期間受けていたと指摘。「捜査機関は被告を商標法違反容疑で『別件逮捕』し、起訴後も不当に身柄を拘束した。精神的にも肉体的にも不安な状況で、うその自白をせざるを得なかった」と訴えた。

 被告人質問で「(殺人罪での起訴前に)なぜ自白したのか」と検察側に問われた被告は「警察官から『自白すれば刑が軽くなる。自白しないと死刑にされるかもしれない』と脅された」と話した。

 また殺人罪での起訴後、拉致やわいせつは認めながら、「殺害は別の人物が行った」と供述を変えた理由について「警察官の話が頭を離れず、少しでも認めた方が罪が軽くなると思った」と説明。弁護士から供述の矛盾を問われ、昨年5月ごろから全面否認に転じたという。「本当のことを言いたくて仕方なかった」と当時の思いを述べた。

 一方、検察側は取り調べについて「厳しく追及した場面もあるが、被告の自由な意思でなされた自白だ」と主張。取り調べの様子を録音・録画した記録を法廷で明らかにし、任意性を立証するとした。

 また、事件の捜査責任者だった栃木県警の警察官も出廷。「遺棄現場から帰る途中に常磐道に乗った」と被告が供述した通り、遺体が見つかった05年12月2日未明、茨城県の那珂インターチェンジの料金所の防犯カメラに被告の車と同型の車が映っていたと明かした。(岩佐友)