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 愛知県西部で雪駄(せった)を作り続けていた被差別部落生まれの男性の遺品から、部落差別問題を取りあげた小説「橋のない川」の作者、故住井すゑさんからの直筆の手紙が見つかった。読後の感想を送った男性への返信とみられる。男性の妻(74)は「生前、差別をなくすには教育が大事だと繰り返していた夫の思いを知ってほしい」と訴える。

 手紙は2通あった。うち1通の消印は1961年12月14日。同年9月に新潮社から同作第1部が発行されていて、男性が送った感想への返信とみられる。「小著をおよみいただきましてありがとう御座いました。(中略)私が部落問題にはたから見て異常なまでに熱意を傾けますのは、この問題の中に人間の愚かさのすべてが露呈されているからです」と書かれていた。

 男性が送った手紙は64年、新潮社の新聞広告に引用された。「私も学校を出て一時は“部落”から逃げ出そうと思いました。然(しか)し私が逃げ出したところで、親、兄弟、友人は……(中略)私は(小説の登場人物の)誠太郎や孝二のようにあのような残酷な目には会いませんでしたが相通ずる苦しみを味わってきたのです」

 男性は、被差別部落とされる地…

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