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 インドネシア・スマトラ島沖で2日夜に起きたマグニチュード(M)7・8の地震の際に、津波観測用の海上のブイ21基すべてが機能しなかったと、インドネシア当局が4日に明らかにした。20万人以上が犠牲になった2004年12月のスマトラ沖大地震・津波を機に順次導入されたが、予算不足で保守・管理ができなくなっているという。

 ブイを管理する技術評価応用庁(BPPT)の担当者は「ブイは通信機能があり、海外の協力も得て設置したが、今回、情報を送信できたものは一つもない。何者かに壊されたり、盗まれたりして使えなくなっている」と話した。

 2日の地震はスマトラ島の南西800キロの沖合が震源で、気象気候地球物理庁が津波警報をすぐに同島のインド洋側に出した。被害はなく、観測された津波も5センチだが、ブイが機能しなかったため警報の解除に約3時間かかり、沿岸住民の間に混乱が広がった。

 津波警報は、震源の位置や規模をもとにシミュレーションで出す仕組み。ブイは、波の動きの実測値で警報の精度を高めるためのものだが、機能しなかったためタイが同国沖に設置したブイの情報を待って警報解除を判断したという。「BPPTは全体予算が年1兆ルピア(86億円)足らずしかない。ブイの維持や新設の資金が足りない」と担当者は話した。(ジャカルタ=古谷祐伸)

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