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 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で途切れた、福島から岩手に至る沿岸被災地の鉄路の将来像がようやく固まった。今も不通なのは3区間。赤字ローカル線の中には鉄路復旧を断念し、バス輸送になったところもある。

 茨城、福島、宮城の海沿いを通るJR常磐線は、津波と原発事故の被害を受け、今も二つの不通区間が残る。福島第一原発周辺を通る不通区間、竜田(福島県楢葉町)―原ノ町(同南相馬市)間は震災前には1日に上下44本が運行、通勤通学の足として5千人以上が利用していた。

 同県富岡町出身の大学生鯨岡政斗さん(21)は震災の日も、常磐線で高校に通っていた。「将来ふるさとに戻りたいので(全線開通は)ありがたい」

 福島沿岸は原発事故で一時、南北の行き来が断たれた。今は国道6号と常磐自動車道が開通しているが、除染や廃炉工事に関わる車両で渋滞が激しい。

 福島第一原発がある大熊町の渡辺利綱町長は「常磐線復旧は幹線道路の渋滞緩和にもつながる。東京、仙台につながる大動脈の復活は、復興を一気に前に進めてくれる」と話す。昨年、避難指示が解除されたものの住民の帰還が進まない楢葉町の幹部も「列車があるなら帰還しようと思う人もいるはず」と期待する。

 津波で被災した相馬(同相馬市)―浜吉田(宮城県亘理町)間も不通だ。