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★キャンプの素顔・総括編

 阪神はキャンプ打ち上げ前日の2月28日、紅白戦を行った。その日の練習後の囲み取材で、金本監督がこんなことを言った。

 「次(の話題)は陽川? スター性ないとダメか? 地味キャラで、俺の若いときにそっくり。俺も打っても打っても(報道陣らが取材などで)聞いてくれなかった。スター性ゼロ。聞かれるのは前田(智徳)、緒方(孝市)、野村(謙二郎)、江藤(智)。俺はその次の次の次くらいだった」

 陽川は3年目、24歳の内野手。この日の紅白戦で本塁打を放った。前日の練習試合に続く2戦連発で、このキャンプでの実戦(紅白戦、オープン戦、練習試合)を通じて計4本塁打を記録した。でも、囲み取材で報道陣からなかなか名前が挙がらない。28日もまず話題になったのは藤浪と、ランニング本塁打を放ったドラフト1位の高山(明大)だった。

 広島時代の自虐ネタを盛り込みつつ、そんな状況をぱっと笑いに変えてしまう。言葉だけを抜き出せばかわいそうにも思えるが、陽川もそんなに悪い気はしないだろう。

 冗談を交ぜて、雰囲気を明るくする。キャンプ中、金本監督の発言は、そんな意図が見えた。例えば、「口撃対象」になった西岡。早出で特守をした13日は坂井オーナーが訪れていた。「オーナーが来るからアピールじゃない? 計算ずくやろ」。初の紅白戦を行った11日には、OBで臨時コーチを務めた下柳剛氏との対決に勝ち、野手は個別練習が免除になった。「ほんとは『夜間練習もなしにしてやってくれ』と言いたかったんだけど、絶対、片岡(打撃コーチ)が『あかん』と言うからね。鬼コーチが」

 監督はキャンプ前に「開幕は怖いけど、キャンプは非常に楽しみ」とも言っていた。打ち上げの日に、開幕はまだ怖いですか、と問われると「まだ恐怖ですね」と答えている。

 結果を求められる公式戦がまもなく始まる。監督の言動やチームの空気が、沖縄での1カ月と比べてどう変わっていくのか、変わらないのか。追っていきたい。(竹田竜世)