東日本大震災から5年。天皇、皇后両陛下は被災地に心を寄せ続けてきた。両陛下と対面した人たちにも前を向く糧になっているという。16~18日には福島、宮城両県を訪れる。宮内庁幹部は「3・11の後も被災者を思い続けるというお気持ちの表れでは」と話す。(島康彦、伊藤和也)

 津波で被災した仙台市宮城野区の蒲生地区。5年の節目を迎えた11日、佐藤美紀子さん(68)は震災発生時刻に合わせ、流された自宅跡地で黙禱(もくとう)した。ふさぎ込みがちになるたび、皇后さまとの「約束」を思い出すという。

 5年前の4月、両陛下が佐藤さん夫妻が避難する体育館を訪れた。スリッパを履かず、冷たい床の上をまわって一人一人に声をかける皇后さまに、佐藤さんは黄色いスイセンの花を手渡した。この日朝、自宅の跡地に咲いていたのを見つけ、持ち帰っていた。

 「このスイセンのように負けないでがんばります」。思いを伝えると、皇后さまは「ちょうだいできますか」と笑顔で受け取り、大切そうに持ち帰った。

 震災後、夫の重雄さん(70)とともにがんが見つかり、闘病が続く。佐藤さんは「両陛下が今も被災地を気に掛けてくださることは私たちの励み」と話す。

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