大阪市教育委員会が昨夏、市立中学校の歴史・公民教科書に育鵬社版を選んだ際、参考にした住民アンケートについて「組織的動員があった」との指摘があった問題で、馳浩文部科学相は8日、閣議後の記者会見で「(動員した可能性が指摘される)育鵬社には猛省を促したい」と述べた。

 馳文科相は詳細な事実関係は把握していないとしつつ、「一般論として、報道にある育鵬社の社員が行ったアンケートへの働きかけともとられかねない行為は、採択への疑念を生じかねない軽率な行為」と指摘。今後、市教委から協力要請があれば、育鵬社への事実確認などの対応をとる考えを示した。

 市教委は昨年8月、今春から市立中で使う歴史・公民教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ育鵬社版を選んだ。それに先立ち、6~7月に市内の教科書展示場で行った住民らへのアンケート結果では、多くが育鵬社版に肯定的だったという。これについて調査した市民団体は、アンケートに同一の文面が目立ったと指摘。2月の市議会で質問が相次いでいた。(高浜行人)